銀河通信銀河通信社はアーティスト小林健二監修により、科学と融合したアイテムを主に製作しております。当社アイテムのメディア情報、小林健二展覧会情報、当社アイテムの部品変更のお知らせなどをご紹介予定です。

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試作品[アブソルバン(吸収性)キャンバス製作キット] 12:00
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    [小林健二結晶作品+銀河通信 in 東急ハンズ渋谷店 7A]東京都渋谷区宇田川町12-18
    2019年7月16日〜8月15日(10:00-21:00) 期間中に、何点か試作品を発表します。

    詳しくは下記のアドレスにて

    https://www.aoiginga.com/2019hands-shibuya.html

     

    今回はその中から[アブソルバンキャンバス製作キット¥6,000(税抜)]について、内容を詳しく書いてみます。

    この自作キャンバスには油絵具だけでなく水性絵具でも絵を描くことができます。但し、油絵具と水性絵具は混ぜることができませんので、あらかじめ計画を立ててから描き始めましょう。

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    内容部品:

    ・アンコラージュ(布の目止めがされているもの。通常は膠水によって塗布されています。)された亜麻布がF3(273X220mm)の木枠に貼られているもの

    ・膠・ハケ・湯煎用のステンレス製ボール大小(重なっています)・膠を膨潤させるための容器(黒い線が入っています)・白い粉・オリジナルソチーレ(白い半円形のもの)・スプーン・塗料保管用容器・サンドペーパー2種(目の違う種類のサンドペーパーが木の台にセットされているもの)・説明書・ニスとガーゼ(仕上がったキャンバスにすぐに絵を描かない場合用にひび割れ防止ニスと塗布するためのガーゼ*このニスを塗った場合、水性絵具より油絵具で描いて下さい。)

    用意するもの:

    ・熱水・サランラップ・タオル(雑巾)・ハンドタオル

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    まずは膠を膨潤させます。料理に使うゼラチンと同じ要領で水でふやかす行為です。白い蓋のついた容器の黒い線まで水を入れます。水道水で構いません。

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    その中に膠を入れるのですが、容器の口が小さめです。膠の入っている袋の底を図のようにカットして、そこから容器に注ぐと便利です。お持ちでしたらロートを使用してもいいでしょう。袋をカットする時は中身の膠を端に寄せ、それからカットします。

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    膠を全量注ぎ入れます。

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    膠を全量入れたら、蓋をして軽く振って混ぜて下さい。

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    振ると、このように容器側面にも付きますが問題ありません。

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    これより約1日かけて膠を膨潤させます。夏など気温の高い時期(25度を越える夏日)は冷蔵庫(冷凍庫ではありません!)の中に入れて下さい。

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    1日ほど経って膠が膨潤したら、湯煎で溶かしていきます。ステンレス製のボール大小がこのようになっていると思います。

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    重なっている上の小さなボールを外します。上に持ち上げれば簡単に取り外せます。

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    下の大きなボールに熱水を入れます。図では電気湯沸しポットを使用していますが、ヤカンや鍋で水を沸かしても問題ありません。入れる量は半分より少し多め程度でいいでしょう。この時すでに下にタオル(雑巾)を引いて置く事をオススメします。

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    その中にハンドタオルなど小さな布をこのように入れます。

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    その中に膨潤した膠の入っている容器を入れて湯煎で溶かしていくのですが、このように浮いてしまいます。

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    重なっていた小さなボールで図のように抑えてやると、うまく熱水の中で容器が立ち、膨潤した膠を温めることができます。

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    5分ほどで溶けます。

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    そうしましたら、中に入れておいたハンドタオルを箸などでつまんで取り出します。熱いので決して手を直接入れないでください。

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    その上に取り外しておいた小さなボールを図のように重ねます。下の大きなボールにはお湯が入っている状態です。作業をしている環境温度が冬など寒い時期ですと、一気にお湯が冷めます。そんな場合はハンドタオルを取り出した後、一旦冷めたお湯を捨て、新たに熱水を注ぎましょう。

    ここからは作業が速やかに進みます。塗るためのキャンバスやハケ・スプーン・サランラップ(大きな方のボールが覆える幅のあるもの)・塗料を入れる容器などをあらかじめ側に用意しておきましょう。

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    上の小さなボールにオリジナルソチーレ(白い半円状のもの)を入れます。

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    その上に溶けた膠水をかけていきます。

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    膠水は全量注ぎます。

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    そしてそこに白い粉を全量入れます。

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    そうしましたら、軽くスプーンで粉を混ぜます。

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    この状態でサランラップで表面を覆い、10-15分ほど蒸していく感じです。

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    15分くらいしたらサランラップを外し、スプーンで真ん中に置いたオリジナルソチーレを潰していきます。膠水を吸い込んで比較的簡単に崩れていくと思います。

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    この時にスプーンで潰して、細かくしておきましょう。多少ツブツブが残っても問題ありません。

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    その後ハケで混ぜていきます。激しく混ぜると気泡が混入してしまうので、軽く練るような感じです。

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    ボールから直接キャンバスに塗布してもいいのですが、2回目塗りがスムーズにいくためにも、一旦容器に移します。

    最後は筆を使って入れていきます。

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    この容器から塗料をキャンバスに塗っていきます。

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    キャンバスの側面は塗らなくてもいいでしょう。同じ方向のハケ目で塗っていくことをオススメします。

    全体が一回ぬれたら、塗料の入った容器の蓋をしめ、キャンバスを乾かします。

    もしも塗料が弾いてきたら、こするように染み込ませて下さい。

    キャンバス製作風景

    画像は小林健二がキャンバスを作るワークショップをした時の作業風景です。使用しているハケは毛足が短く、スキャンブリング(擦りこむ)のに適したハケですが、今回のハケを使用して擦りこんでも問題ありません。ハケの毛が抜けて塗料にくっついてしまったら、取り除いて下さい。ピンセットなどが便利ですが手でつまんで取り、そのため跡が残っても問題ありません。

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    一回めの塗布で乾燥後ツブツブが気になったら、キットに入っていたサンドペーパーで図のように軽く擦っておきます。この作業は2回目の塗布が終わって最終的に調整する際に行ってもいいでしょう。

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    2回目の塗布をする時には塗料が冷めてこのように凝った状態になっています。

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    容器の蓋を閉め、大きなボールに熱水を入れ、ハンドタオルを敷いて容器を置き(浮いてきます)その上から小さなボールを置いて石などの重しを乗せて固定し湯煎して塗料を溶かします。

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    2回目の塗布は1回目のハケ目と直行するように塗りましょう。あまりゆっくりと強く塗っていると一回目の塗布が起きてきます。2回目は上に乗せるような気持ちで塗りましょう。

    全体が塗れたら日陰で乾燥させます。塗料の分量は大体2回塗れる量となります。

    この塗料はキャンバスだけではなく支持体として木の板(厚みが15mmくらいのもので薄いと反ってしまいます。)などにも使用できます。目止めの効果もありますので、木目を楽しむ木製品ではないタイプの木の箱を自作し、そこに絵を描くための下地としても使用できます。工夫してお楽しみ下さい。ただし分量がF3サイズに2回ぬれる量です。

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    このキットにはすぐに仕上がったキャンバスに絵を描かない場合のひび割れ防止策として、オリジナルニスとそれを塗るためのガーゼが付いています。放置しておくと、今回製作するアブソルバンキャンバスは四隅に蜘蛛の巣状のクラックが入ってしまうことがあります。その防止策としてオリジナルニスをガーゼに染み込ませて表面に塗ることでクラックを防げます。このニスを塗った場合は水性絵具ではなく油絵具で絵を描いていくことをお勧めします。

     

    *次回はキャンバスに関する道具などご紹介予定です。

     

     

     

     

     

     

     

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